第145話:妹の香織だった。

作:Tiraさん


-From 1-
「まだ寝てたの、お兄ちゃん」
「あ、ああ。俺もこんな時間まで寝ているなんて自分でもビックリだ!」

まだベッドに横たわっていた俺は、頭の横に置いていた携帯電話で11時を過ぎようとしているのを見ながら返事をした。

「また夜遅くまでパソコンしてたんじゃないの?」
「ま、まあな……」

(そう言えば、昨日は面白いサイトを見つけてずっと見てたんだっけ。
それにしても、あれってホントなのかなぁ……)

俺は扉を開けて入ってきた妹、香織を見ながらあのサイトの画像を思い出していた。
【皮】というキーワード。
いくつも掲載されていたアイテム。
それらがまだ頭の中から離れない。

「もうすぐ雪菜が来るんだけど、あのCD返してくれない?」
「CD?ああ。あのCDか」
「今日、雪菜返すって約束してたのよ」
「ああ、そっか。分かったよ」

まだ頭の回転が鈍い俺はボーっとしたままベッドから這い出ると、ミニコンポの上に置いていた音楽CDを手に取って香織に手渡した。

「また別のCD、貸してくれるんだって」
「そっか。じゃあ借りておいてくれるか」
「うん、いいよ。じゃあね」
「ああ」
「もう起きないと目が腐っちゃうよ」
「腐りはしないだろ、腐りは」
「さあ、どうかなぁ」

香織は笑いながら部屋を出て行った。

「ん〜!」

俺はベッドの前に立つと、思い切り背伸びをすると、香織が出て行った扉をそれとなく眺めた。

香織は俺よりも1つ年下の17歳だ。
俺の妹のくせしてやたらに可愛らしい……というか美人系か。
腰まであるダークブラウンの長い髪はストレート。
ほっそりとした顔立ちに二重まぶたの大きな瞳。
身長は165センチくらいか。平均よりもちょっと高いかもしれないな。
まあ、俺よりは低いけど。
そんな香織は、高校で新体操部に入っている。
もちろん、香織のスタイルを見て馬鹿にするようなヤツは誰一人いない。
そんな香織に、いつしか心を惹かれていた俺。
いや、正直言うと、その容姿に惹かれていたのだ。
兄妹なのに、こんな感情を抱くなんて。
自分でも信じられなかったが、香織が女性として成長してゆくにしたがって、
この気持ちを抑えることは出来なくなっていた。

そして、あのサイトで思わず購入手続きをしてしまったアイテム。
あれがあれば……

きっと、今日の夕方には届くはず。
俺はその購入したアイテムを思い浮かべると、鼓動が激しく高鳴るのを覚えた。

そう、俺が購入したアイテムとは……

-To 形状記憶スーツ!!-
-To 等身大美少女フィギュア作成キット-
-To ストローだった-
-To 「実験シリーズCクローンを作ろう!お手軽セット」-
-To ウルトラミキサー!-
-To 「……?」-
-To スライムジュース!-
-To お意志い水・・・-
-To 合体のり!-
-To あれ?-

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