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■1236 / 3階層)  藍那を呼んだ。
□投稿者/ 喜連瓜破 -(2014/08/08(Fri) 10:59:34) [ID:q7bMXToV]
    「お〜い、はさみとカッターと、あと包丁も持ってきてくれ!」
    「はい、おとうさん!」
    全く歯が立たない。柔らかいのに、傷一つつかないのだ。
    「ねえ、お父さん。」
    「ん?」
    「先にご飯食べない?」

    「ご馳走様でした。だけどすごい怖い顔だよね。」
    「ああ、平気で人ぐらい殺しそうだよな。この女。」
    完全に自分の顔のように感じる。
    「でもスタイルはすごいね。」
    「そうだな。ヌードモデル並みかな?AV女優とか。」
    胸を持ち上げてみる。まさか娘の前で女装する羽目になるとは・・・
    「トイレはどうだったの?」
    「それが、問題くちゃんとできるみたいだ。」
    「へえ・・・不思議。ちゃんと穴とつながってるんだね。」
    「ああ、最初は圧迫された感じだったんだが。今はまるで元からこうみたいに自然に。」

    チャイムが鳴った。
    「だれだ?こんな時間に。」
    「あ、お父さん。私が出るよ。そんな顔じゃ・・」
    「そうだな。頼む。」

    しばらくして藍那が戻ってきた。
    「お父さん。なんか警察の人だって。あ、ちょっとまってくださ・・・」
    藍那の後ろから小柄な女性が入ってきた。
    あどけない顔の金髪ロr、少女。
    ぴったりとした全身を覆うスーツに逆三角形の紋章。
    「宇宙警察機構地球方面分遣隊、第0426小隊のガルデンだ。お邪魔する。」
    つかつかと俺に歩み寄り、悪女の顔を覗き込んだ。
    「・・・遅かったか。」
    「えっ?」

    ガルデンは俺が入れたほうじ茶をすすった。
    「事情を説明しよう。数時間前、私たちは非合法組織の幹部の女をこの近くで逮捕した。その顔の女だ。」
    「この顔の?」
    「そう、その顔の本来の持ち主。殺人請負業。いわゆる殺し屋だ。」
    「どうりで。極悪人って感じですよね。」
    「そうだな。追い詰められたその女は追っ手を撒くために罠を仕掛けたんだ。自分の体から中身だけ抜け出し、残った体に触れた者を取り込んで自分の替え玉にしようとした。」
    「それがこの体なんですね?」
    「そうだ。それに触れた被害者は取り込まれ、喰われてしまい体の芯までその女になってしまう。数分でその女そのものに置き換わってしまう。」
    「え・・・・?」
    「そして本人と変わらぬ特殊能力も使えるようになり、それまでの犯罪の記憶も刷り込まれて、人格までまったく本人になってしまうのだ。完全な身代わりだな。」
    「なんだそりゃ!?」
    「そんなわけで、先ほど身柄確保した本体は尋問途中に自殺してしまった。残りの情報を貴女から尋問したい。これが逮捕状だ。」
    「お父さん!?」
    「そんな・・・俺は被害者だろう?なんで逮捕・・・」
    「元被害者。今は完全に加害者本人になったのだ。脳波パターンまで手配書と同じになっている。」
    俺の意識は俺のままだ。
    「全然前と変わらない気がするんだが・・・」
    「うむ・・・その女の記憶は読めないのか?」
    「ちょっとまって・・・あ、なんか浮かんできた。」
    ガルデンがホルスターの銃に手をかける。俺の意識が乗っ取られた時の為だろう。
    女が仕掛けた罠が発動した。一気に俺の意識を呑み込もうと脳に広がってくる女の人格。肉体同様、意識までも女に包み込まれていく。
    「お父さん!!しっかりしてぇえええ!?」
    「あ・・いな・・・」
    娘を抱きしめる。
    「危ない!離れるんだっ!そいつはもう君の父親ではなくなる!!」
    「いやっ!」


    数時間後。
    「・・・と、組織の概要はこんな感じね。メンバーとの連絡方法は・・・」
    「ご協力に感謝します。」
    「それで、私はいったいこれからどうすりゃいいのよ?」
    極悪非道の残忍な人殺しの女の人格。
    幼いころから悪事を尽くしてきた記憶。
    吸収されてしまうはずが、俺は全部吸収してしまったようだ。
    「とりあえず上からの指示待ちですね。家にいてください。外出は禁止します。」
    「ちぇっ、わかったわよ。」


    「お父さん、ずっとその顔なの?これから。」
    「そうみたいね。もう中には元の体は残ってないみたい。」
    「その女の人の記憶が全部?」
    「そう、だからどちらでもあるって感じかしら?でも藍那を愛しているのは絶対に変わらないわ。安心して。」
    「よかった。そうだ、特殊能力って言ってたけど、どんなの?」
    「殺した相手の血肉から遺伝子情報をコピーして本人そっくりに化けたり、自分の血肉で他人を自分そっくりに・・あ、それは知ってるわよね。後は子供のころから生きていくために身に着けた殺人術と、怪我をしない肉体に骨まで断ち切る爪。」
    殆ど無敵かもしれないな。この体。
    「あと男を虜にして思い通りに操ったり。」
    「・・・お父さん。」
    「あ、あはは・・・ロクな能力じゃないわねえ・・・」

    翌日、
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