作:Tiraさん
ストローと言っても、ただのストローではない。
10センチくらいの軽い金属製ストローの先には安易なプラスチックの吸盤がついている。
これをどうやって使うのか?
それはサイトにしっかりと書かれていた。
そして、それを使用した人のBBSも読んだ。
だから即、購入を決めたんだ。
そんな事が出来るのなら、俺だって是非使いたいと!
もちろん、そのストローを使う相手は決まっている。
――太陽が少しずつ傾き始めた夕方。
俺はそろそろ届くであろう宅急便をじっと待っていた。
手に汗をかきながら。
テレビでも見て気を紛らわせようかと思ったが、それさえ出来ないくらい高揚している事を、俺自身が分かっていた。
「まだかなぁ……まさか、騙されたのか?」
そう思いかけたとき、家の前にトラックが止まった音が。
そして、
ピンポ〜ン!
インターホンの呼び鈴を押す音。
俺の鼓動は一気に高鳴った。
「は、はいっ!」
急いで階段を駆け下り、玄関の扉を開ける。
すると……