第152話:ストローだった

作:Tiraさん


-From 145-
ストローと言っても、ただのストローではない。
10センチくらいの軽い金属製ストローの先には安易なプラスチックの吸盤がついている。
これをどうやって使うのか?
それはサイトにしっかりと書かれていた。
そして、それを使用した人のBBSも読んだ。
だから即、購入を決めたんだ。
そんな事が出来るのなら、俺だって是非使いたいと!
もちろん、そのストローを使う相手は決まっている。

――太陽が少しずつ傾き始めた夕方。
俺はそろそろ届くであろう宅急便をじっと待っていた。
手に汗をかきながら。
テレビでも見て気を紛らわせようかと思ったが、それさえ出来ないくらい高揚している事を、俺自身が分かっていた。

「まだかなぁ……まさか、騙されたのか?」

そう思いかけたとき、家の前にトラックが止まった音が。
そして、

ピンポ〜ン!

インターホンの呼び鈴を押す音。
俺の鼓動は一気に高鳴った。

「は、はいっ!」

急いで階段を駆け下り、玄関の扉を開ける。
すると……

-To 「お兄ちゃん!はい、ハンコ!」-

最初のページを開く